忍者ブログ
空気であり水である大切な音楽たちに触発され、物書きリハビリ中
Admin*Write*Comment
[14]  [13]  [12]  [11]  [10]  [9]  [8]  [7]  [6]  [5]  [4
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

前の日記に書いたハローワーク。
とりあえず応募だけしてみた。
12日面接らしいよ。
一体何を話せばいいのか知らん…。





「中西なしじゃ、俺は息もできない……っ」

ただ一度だけ、三上が口にしたその言葉。
三上は、覚えてないかもしれないけれど。

護りたいって思った。
一生をかけて幸せにしたいって、
そのとき俺は思ったんだ。

ねぇ三上、
俺だって三上なしじゃ生きていけないよ。


さよならとありがとう 四


中西へ。

太陽が近い。
今年の夏はいつもより暑くて、そのぶん太陽が大きく見える。
雪なんて、きっとここにあったらあっという間に溶けちまうよ。

手紙は、ちゃんととってある。
おまえが送ってきたやつも、俺が書いた宛先不明の返事も、
両方とも机のひきだしん中にちゃんとしまってあるぜ。
捨てられるわけ、ねぇじゃん。
おまえが手紙くれるなんて、初めてだったんだからさ。

中西の、整った字。
まるで機械で打ったみたいでさ、俺は正直その生気の無さに怯えてたことがあるよ。
だけどその文字が、今はこんなにも愛しいと思う。
中西が俺を思って書いてくれたんだって思ったら、綺麗な字が歪んで見えなくなった。

泣かないって、約束したよな。
俺には守れなかった。
手紙受け取って、俺はますます涙腺が緩くなった気がする。
中西に気づいてもらいたくて、俺の心は今も悲鳴を上げてるんだ。

あの夜、雪を見ながらおまえ言ったよな。
俺のこと誰にも見せたくないって。

あの時は反したけど、ほんとは凄く嬉しかったんだ。
中西の言葉につながれていたいって思った。
同時に俺も中西を俺だけのものにしたいって思ったんだぜ。
言えなかったけど、確かにあの時俺たちは魂を重ねてたんだと思う。

つないだ手に救われてたのは、俺も同じだ。
中西の冷たい掌は、いつだって俺を落ち着かせてくれてたよ。
冷たい手に触れるたびに、ああ、中西だって錯覚するようになった。
だけど違うんだ。
どんなにおまえの手に近くても、それは俺が欲しい中西の手じゃない。

怖かった。
俺を救ってくれる、中西の手。
もう二度と差し伸べられないのかと思うと、
お前に逢う前までだってそうだったのにすげぇ怖かった。
中西がこんなに俺の中で大きな存在になってたこと、
俺はおまえがいなくなって始めて実感したんだ。

中西、帰ってきてくれよ。

もう一度、抱き締めて欲しい。
もう一度声を聞かせて欲しい。
俺にとって中西は本当に大切な存在だから、
俺が生きていくために必要な存在だから、
たとえ触れられなくても、
せめて俺の視界野中にいて欲しいんだ。

太陽の賛美歌が熱い。
なのに心はおまえを失って冷え切ったままだ。

おまえが俺を嫌いになったんじゃないなら、帰ってこいよ。
いつだって俺はおまえだけを待ってるから。
おまえ以外、俺は望んでなんかいねぇから。
壊されてもいい。
閉じ込められたって構わねぇよ。
中西の傍にいたいんだ。
それだけなんだよ。

三上。

PR
COMMENT
name
title
mail
URL
comment
pass   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字

secret
TRACKBACK
trackbackURL:
カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
フリーエリア
最新CM
[01/16 LeiPuamelia]
最新TB
プロフィール
HN:
霞 氷華
性別:
非公開
自己紹介:

バーコード
ブログ内検索
Copyright©樹脂製桜木雨宿り All Rights Reserved.
Photo by 戦場に猫 /Template by Kaie / 忍者ブログ /[PR]