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空気であり水である大切な音楽たちに触発され、物書きリハビリ中
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おはようございます、霞氷華です。
今日は休職中の仕事場に、辞職の相談をしにいってきます。
大好きすぎる上司にお話を聴いてもらえるとか、
ちょ、自分泣くかもしれません(笑)





「俺と渋沢だったら、三上はどっちを選ぶの」
中西がそんなことを言い出したのは、雨の日で。
室内もバレー部の試合が近いために練習が休みになった日で。
一人図書館にこもった自分を、誰も見つけられないと三上は思っていた。

雨の日の図書館はいつもよりどこか埃臭く、古書の香りが際立つ。懐かしいその空気の中にはまばらに人がいるだけだ。一番奥の壁際にいくつか設置される一人用の椅子と机に身を隠して、読んでいるのは森鴎外。
「面白い?」
といきなり寄こされた質問に驚いて顔を上げればそこには見知った部活仲間。
「中西」
「何読んでるの?」
「……舞姫」
「森鴎外だね。三上古典なんて読むんだ?」
どちらかというと文型は苦手だと思ってた、と中西が笑う。
三上は僅かに眉間に皺を寄せるだけで、質問には答えなかった。
「ねぇ三上、どこまで読んだの」
「もうすぐ帰るとこまで」
「へぇ」
頷いただけで続かない言葉に、三上は文章に視線を戻す。
ゆっくりと、活字を追っていく。
三上は、この主人公が嫌いだ。ヒロインも、敵役も。
けれど読み進めずにはいられない文章の魅力が、そこにはあった。
「三上」
「ん?」
「例えば三上がエリスだったとして」
「は?」
いきなり何を言い出すのかと、三上は顔を上げる。
中西は穏やかな微笑を浮かべていたが、その瞳は真剣で、三上は戸惑った。
「何」
「うん。もしもエリスの立場だったら、俺と渋沢、どっちを選ぶの?」
心臓が、強く鳴った。
「……莫迦じゃねぇの」
「そうだね」
「俺らとエリスじゃ、違うだろ」
「そうだね」
「選べとか、なんだよそれ」
「うん」
静かな返答に、涙が出そうになる。
俺と根岸を選べないのは自分の癖に、と痛い想いが走り抜けた。




三つ巴?(笑)

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